いつもその後姿を見ていた。
いつもその後姿を眺めていた。
いつもその後姿を目指していた。

何事にもクールに接するその後姿。
いつもはゆっくりとした歩調で歩いているのに、あるときは追いつけないくらいに走り出す。

私がその後姿に手を差し伸べようとすると、スッと空を切る。
求めれば求めるほど、渇すれば渇するほどあなたは遠のいていく。

そうやって私はあなたに引っ張られてきた。

でも私は気づいた。

あなたを見ているうちはあなたを越せないと・・。

もっと先を見よう。1寸先でもいいから。2寸先でもいいから。
先は闇に覆われ何も見えない。
私の知らない世界が広がっている。不安の心が広がる。
その不安以上の勇気をもって、今、私は前に1歩踏み出した。

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